サイバー保険

デジタル化がかつてない速度で進む日本においてサイバー攻撃のリスクは高まり続けていますが、そのリスクに備えるためにあるのが「サイバー保険」です。

日本損害保険協会によると、日本企業の7社に1社がサイバー攻撃を経験しています。攻撃を受けた際の損害は自社だけでのものではなく、取引先や顧客のデータが漏洩することで賠償責任が発生することもあります。
サイバー攻撃を受けるリスクがあるのは大企業だけではありません。多額のコストをかけてあ対策している大企業よりも、対策が甘いとみられる中小企業こそリスクは高いのです。

そこで役に立つのがサイバー保険です。サイバー保険に加入することで攻撃そのものを防ぐことはできませんが、損害を受けた際の金銭的問題を解決するのに役立ちます。

サイバー保険とは、企業がサイバー攻撃を受けたときに発生する損害を補償してくれる保険です。
サイバー保険に加入することで、企業がサイバー攻撃を受けた際に発生する自社の損害や、他社・顧客への損害賠償を補償してくれます。

具体的な補償内容は以下の通りです。

・賠償責任費用~自社がサイバー攻撃を受けたことで発生した、第三者への損害を賠償する費用を補償
・事故対応費用~サイバー攻撃による設備損害などに対応するための費用を補償
・利益損害費用~サイバー攻撃を受けたことで失われた本来発生するはずの利益に対する補償
・営業継続費用~サイバー攻撃による被害から復旧し、今後も営業を継続していくための費用を補償

サイバー保険に加入しておくと、個人情報漏洩による顧客への損害賠償責任に伴う費用や、事故調査費用、サーバー復旧費用、法律相談費用など必要経費が保険より賄われるため、実質的な費用負担をかなり軽減できます。

実際にサイバー攻撃を「100%完全に防ぐことは不可能」です。だからこそ、被害を受けたときのための「保険」としてサイバー保険が必要なのです。これは個人が任意保険に加入するのと同様です。誰もが自動車事故に遭いたくない、安全運転をしているので遭う確率が低いと思っていますが、それでも「万が一」事故が発生した際の損害は計り知れないものとなるため、加入するのです。

企業のIT化・グローバル化がより一層進む現代だからこそ、企業はその規模を問わずサイバー攻撃という現実的な驚異に備える必要があります。
どれだけ信頼性の高いセキュリティを構築しても100%安全だと断言できる企業はありません。リスクが過小評価されやすい中小企業こそサイバー保険への加入を検討し、万が一のときもすぐに業務を立て直せる準備をしておくことをおすすめします。

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